本徳光則センター長による講義が行われました。
今回は「認知機能-脳-身体機能の関連性」「感覚の階層性」「認知機能障害がもたらす日常生活への影響」など、参加者の皆様の実体験や、日常の中でふとした行動や考えが認知機能と深く関わっているというお話しを実際に身体を動かしながら行い、また自宅でできる体操、脳トレの紹介もありました。
◇認知機能とは
・社会的認知機能
⇧ ・遂行機能
⇧
・注意機能 ・記憶
⇧
・視覚認知機能 ・聴覚認知機能
⇧は上位にいく程 よりレベルの高い認知機能になります。
認知機能は、認知症や高次脳機能障害、発達障害、統合失調症、うつ病などの
医療や支援において重要な概念ですが、介護や育児、ひきこもり、スポーツ障害など
私たちの身近にある社会課題とも深く関係があるものです。
◇人の身体にはどんな感覚が入ってくるのだろう?
味覚、嗅覚、視覚、聴覚などの感覚は、一般によく知られています。それ以外にも次のような感覚があります。
触覚:皮膚で感じます。危険を察知したり、触って何かを確かめたり、痛み、温度、圧迫などの情報を脳に伝えます。
固有受容覚:筋肉、腱、関節などで感じます。手足の位置や運動の様子、物の重さなどの情報を脳に伝え、姿勢を保持したり、体をスムーズに動かすために働きます。
前庭感覚:耳の奥の前庭器官で感じます。平衡感覚ともいわれ、頭の傾きや動き、スピード、重力を脳に伝えます。目の動きに関連する働きもあります。
◇脳と身体の運動を行う際に意識すると効果が上がること
・運動の部位、作業時の肢位の変化と大きさ
・運動の速さ
・運動にともなう抵抗
・リズムの有無と内容
・繰り返し動作の量と内容
・運動の対称性
・主動関節と可動範囲
・主動筋群、筋作用、筋力 作業の合目的的な行為のために意識して身体をもちいる。
脳機能の最上位の「自己の気づき」があれば、他の機能がある程度低下していても、周りからのアドバイスや対処などの環境調整によって対応できる。
自己の気づきを得るためには、論理的な思考やそれを支える記憶や遂行機能、
さらにはより下位の情報処理や注意、集中力などがある程度保たれている必要があり、
より基盤的な神経心理学的機能の向上に働きかけることが重要です。